「暴力と差別、さもなくば対等な交流―戦争と平和は双子の兄弟―」
<第1班第2回研究会 (第1班・第2班合同研究会)>
■報告者 :中村尚司 (龍谷大学経済学部教授)
■開催場所 :龍谷大学深草学舎8号館会議室
■開催日時 :2006年9月21日(木) 13:00-17:00
■議事録番号 :06010203
 報告者の中村氏は、戦争と対立する概念は平和ではなく、むしろ両者を暴力の延長線上にある「双子の兄弟」であると指摘し、暴力と排除による平和の構築という現在の世界の潮流に警鐘を鳴らした。そのうえで、暴力とその間接的な形態である差別に対抗しうるのは、対等な人間関係を強める交流や協力であると主張し、京都市の部落差別問題への取り組みや東チモールでの経済自立支援等、氏の豊富で多岐にわたる活動経験からその根拠の説明を試みた。
 さらに氏は、古代ローマと中国との交易等かつての交易が、両者の文化交流を促進した事例を挙げ、交易による交流の有益性を強調した。そのうえで、現在では武力を背景にした交易がはびこり「市場の頽廃」が戦争の原因となっている点を指摘した。
 新しい時代には「戦争と平和」から「交換と協力」への方向転換が必要である。そのためには、臓器や武器といった生命に危害を加える市場を縮小するとともに、低廉な労働力の国際移動など過度な金融市場のグローバル化に歯止めをかけ、健全な交易を取り戻す事が必要であることを指摘し、氏は報告を締めくくった。
 討論においては、中村氏の自由な交易の広がりによる平和の構築という考え方は、さまざまな負の側面が指摘されるグローバリゼーションを無条件に支持するものにならないかという意見が出された。
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