「イスラーム世界のナショナリズムとマイノリティ―アルメニア人の事例を中心に」
<第1班第3回研究会>
■報告者 :佐野東生 (龍谷大学国際文化学部助教授)
■開催場所 :龍谷大学瀬田学舎智光館B102共同研究室
■開催日時 :2006年12月16日(土) 14:00-18:00
■議事録番号 :060103
 佐野氏は、アルメニア・ナショナリズムの誕生と展開を、近現代イスラーム史における宗教・民族マイノリティの自立の問題として捉え、その歴史的意義を明らかにした。キリスト教徒が多数を占めるアルメニア人は16世紀以降、イスラームのズィンミー(被保護民)制度のもとで、農民、商人、金融業者、外交官、学舎などとして活躍し、おおむねイスラームと共存してきた。19世紀以降、東アルメニアはペルシアからロシアの支配下に入り、東西アルメニアでは民族自決を目指すナショナリズム運動が発展するが、オスマン帝国下の西アルメニアでは1895年にアルメニア人弾圧事件が、1915-16年にはアルメニア人「虐殺」事件が発生した。このような状況下で、アルメニア人ナショナリストたちはイラン・ナショナリズム運動に協力し、1905年からのイラン立憲革命ではアルメニア人が重要な役割を果たした。ここでアルメニア人たちは、イラン・ナショナリズムに同化したというよりも、イランの民主主義を守ることによって最終的にはアルメニア独立をめざしていたと考えられる。
 討論では、19世紀末から20世紀初頭にかけてのナショナリズムの特徴についてや、ナショナリズムと反帝国主義の関係について、アルメニア人アイデンティティの源は何か、アルメニアの将来、などについて議論された。
■資料詳細 <資料1
 
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