「日本占領期ジャワにおける『伝統の制度化』―隣組制度とゴトン・ロヨン」
<2007年度第4班第1回研究会>
■報告者 :小林和夫 日本大学非常勤講師
■開催場所 :龍谷大学深草キャンパス 紫英館第1共同研究室
■開催日時 :2007年6月23日(土)15:00-18:00
■議事録番号 :070401
【報告の概要】
住民組織やコミュニティは、国家・権力に対する潜在的な対抗勢力となりうる。そこで、国家・権力はときに、自らの都合のよい方向に、住民の「自発的な」自己投入を促そうと住民組織やコミュニティを形づくる仕掛けを利用する。ホブズボウムが「創られた伝統」の基本的類型とする「共同体主義的伝統」もその一つである。本報告は、この点を、日本占領期のジャワにおいて、「ゴトン・ロヨン」(相互扶助)という「伝統」が軍政当局によって隣組制度の導入というかたちで制度化されていく過程の中で論じた。さらに、報告者によると、ゴトン・ロヨンの制度化と類似したことは、後のスカルノ時代(RT/RK)やスハルト時代に住民組織(RT/RW)の導入の場合にもみられたという。

【議論の概要】
ゴトン・ロヨンは抵抗組織やNGOの間でも使われる言葉なのかという質問に対して、報告者は、これは体制側が人々に公共のための無償勤労奉仕をさせるときに用いるマジック・ワードであり、体制以外の立場の人が使うことは通常ない、と答えた。また、無償勤労奉仕という考え方が従来なかったジャワに、日本が戦時中に推し進めたゴトン・ロヨンがなぜスムースに広まったのか、という質問もあった。この点については、参加者の一人から、ジャワやその周辺の地域で強い影響力を持つ家族主義がゴトン・ロヨンと結びつけてイメージされる点が関係しているのではないか、との意見が出た。
■資料詳細 <資料1
 
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