「開発資金配分の民主化は可能か?:エチオピアの<住民組織>グラゲ道路建設協会の経験」
<2007年度第4班第1回研究会>
■報告者 :西 真如 京都大学特任助教
■開催場所 :龍谷大学深草キャンパス 紫英館第1共同研究室
■開催日時 :2007年6月23日(土)15:00-18:00
■議事録番号 :070401
【報告の概要】
 本報告は、エチオピアの都市移住民たちの組織の例をとおして、在来の社会関係が社会の中における公正な再分配の役割の関係を果たしうる点について論じた。グラゲ道路建設協会は、同国南部州グラゲ県の農村から首都アジスアベバに移住した人びとが、故郷の村に道路や学校を建設する目的で、1962年に設立した住民組織である。当時、エチオピア南部の農村は、貴族支配と結びついた収奪的な大土地所有制のもとに置かれていた。こうした社会構造の中で、アジスアベバのグラゲ移住民の中で、官僚や商人として成功するものも現れた。彼らは、公正な再配分の仕組みを構築してゆくため、グラゲ道路建設協会を組織し、政府に対して道路建設に向けた働きかけを行った。その一方で、協会は氏族委員会や葬儀講といった在来の社会組織と連携して資金を集め、故郷での開発事業を実現した。このようにして、協会は都市から農村への再配分の仕組みを形成したのである。

【議論の概要】

 参加者からは、グラゲ道路建設協会と葬儀講との関係の詳細を尋ねる質問が相次いだ。例えば、なぜ無尽講ではなく、葬儀講が協会のベースになっているのかという質問について、報告者は、無尽講が出身地に関係のない個人のネットワーク組織であるのに対し、葬儀講は氏族ごとの組織である点が故郷への支援を目的とする協会との親和性が高い点を強調した。また、協会が行う事業には、故郷の社会インフラ整備以外もあるのかという質問に対しては、そのような例はあまりないと述べた。他に、エチオピアの政治とのつながりや、父権主義的な文化背景などとの関連について尋ねる参加者の声もあった。
■資料詳細 <資料1
 
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