「ハラスメントの理論」
<2007年度第1回合同研究会「紛争解決に関する理論研究:展望」>
■報告者 :本條晴一郎 (東京大学東洋文化研究所リサーチフェロー)
■開催場所 :龍谷大学瀬田学舎智光館B103・104共同研究室
■開催日時 :2007年6月23日(土)10:30-17:00
■議事録番号 :070003
ディスカッサント: 長崎暢子(龍谷大学国際文化学部教授)

【報告の概要】
 報告者の本條氏は、ハラスメント理論の概要を紹介したうえで、植民地支配に対抗したガンディーの方法をハラスメント理論から読み解いた。本條氏は、人間が本来的にもっている運動状態を「魂」と呼び、学習とは「魂」と外界との間のやりとりをスムーズに行うための「インターフェイス」を構築することであると指摘した。その上でハラスメントとは、否定と強制によって相手の「魂」の声(=個々人がそれぞれ独立に捉えるコンテキスト)にそぐわないラベルを押しつけることだと定義した。ハラスメントの被害者がハラスメントの呪縛から脱出するには、みずからの「魂」の声に従って学習過程を作動させ、「インターフェイス」を通じて「魂」と外界とを接続させる必要がある。そして本條氏は、植民地体制も、現地の文化を否定し宗主国の文化・制度を強制する点でハラスメントとみなすことができるとしたうえで、サッティヤーグラハ(=魂の力)によって植民地支配に対抗したガンディーの方法は、ハラスメントの呪縛から逃れるために有効な手段ではないかと述べた。

【議論の概要】
 討論では、本條氏が「魂」と呼んだもののうちかなりの部分が生来的なものではなく、実は社会的・後天的に獲得された「インターフェイス」なのではないかという指摘がなされた。また、ハラスメント理論における社会的権力関係の捉え方、ハラスメント理論と精神分析理論との関係、などが議論された。
■資料詳細 
 
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