「【国際セミナー】Standards: Building Block or Impediment to Development?」
<第2班国際セミナー(第1回)>
■報告者 :Mr. Lawrence Busch, PhD(Professor of Development Sociology Michigan State University)
■開催場所 :龍谷大学深草キャンパス 紫英館2階第1共同研究室
■開催日時 :2007年4月14日(土)14:00−16:30
■議事録番号 :070211
【報告内容】
ブッシュ氏は本報告で、基準(Standards)のあり方が、農業にもたらす影響、とりわけ小規模農家に対する影響について述べた。
氏ははじめに、基準を、ルールを設定するもととなるものであり、時には強制という形をとる、時には推薦という形をとるといったように、その強弱は変化するものの、人が従わねばならない一種の力(Power)であると定義した。
基準が存在することは、人に利便性をもたらす。ライセンスをもったシェフの料理は安心して食べることができるし、基準を通ったイスは安心して座ることができる。現代社会において、基準は不可欠な存在であり、基準のない社会など想像することは不可能である。
基準には、単一化されたものと、多様化されたものが存在する。農業、食品という分野において、単一的な基準は、大規模農家が一定の基準化された作物を大量に、より安く作るという方向性を導く。これは産物の価格低下をもたらし、対応できない農業従事者を都市労働者へとシフトさせていく。大規模農家はさらに大規模化し、それによってコストは低下し、需要が増大し、さらなる価格の低下を導くというサイクルを形成するのである。
一方で、基準を多様化させ、今までとは異なるマーケットを形成する動きが存在する。そのマーケットは特定の所得者層、年齢層、性別、民族といったものと結びつき、いわばニッチのマーケットを形成していく。これを助ける基準の設定には、民間の第三者機関が対応し、こうした第三者機関は世界中に広がりつつある。小規模農家はこうした基準に基づいて多用な産物を作り、特定の層に販売することで、前述したような価格競争による淘汰から逃れることができる。しかし、小規模農家は同時に、第三者機関の基準に見合う産物を作る必要があり、かれらへの技術支援は課題として存在する。
このように、基準にはプラスの側面とマイナスの側面が同時に存在する。しかし、前述したように基準のない社会など存在しえず、基準をどう作り、社会的・技術的に創造的な発展をいかに目指すかが、今後の大きな課題であると最後に指摘し、報告を締めくくった。

【議論の概要】
議論では、第三者機関によって基準が設定されることによって、結局小規模農家も競争から逃れられないのではないかという指摘がなされた。同時に、そうした第三者機関と小規模農家との結びつきをどう形成するかという問題も出された。
また、日本と欧米ではまったく異なる、政府による農業保護政策の影響についても議論された。
■資料詳細 
 
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