「ポスト・コンフリクト国周辺地域に生きる移住民の生計維持―ザンビア西部の慣習的制度のなかでの土地管理の現状から―」
<2007年度第4班第2回研究会>
■報告者 :村尾るみこ 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程
■開催場所 :龍谷大学深草キャンパス 紫英館第1共同研究室
■開催日時 :2007年7月13日(金)15:00-18:00
■議事録番号 :070402
【報告の概要】
本報告は、ザンビア西部州のアンゴラ移住民による土地管理を例とし、ポスト・コンフリクト国周辺地域に定着した避難民の生計維持の現状を紹介した。
 ザンビア西部は19世紀以降、アンゴラから断続的に流入する人びとを受け入れてきた地域である。さらに、20世紀半ばから2002年までのアンゴラ紛争によって、アンゴラからザンビア西部へは、多数の難民や、それとほぼ同数と推計される難民認定を受けない避難民が流入した。報告者が事例として取り上げた西部州の村は、そうした一連のアンゴラからの移住民によって構成されている。
 報告者はまず、西部州においてアンゴラ移住民がいかに土地を獲得しているのかについて説明した。ザンビアの国土は国有地ならびに地域ごとの慣習法のもとにある土地の2種に大別され、西部州はそのうちの後者のケースにあてはまる。具体的には、ロジ王国の組織構造が土地管理のベースとなっている。アンゴラからの移住民たちは、この組織の末端に「リンボ」とよばれる居住集団で編入され、実質的に西部州の疎開林の開拓と管理を進めている。
 次に報告者は、その「リンボ」内での土地の管理の実情を解説した。アンゴラからの移住民は、各自の親族が所属するリンボの土地のなかで空いている箇所を耕作地として利用している。そのような状況下、ときとして、土地をめぐる対立が発生することがあるが、対立時に調停役を務めるのが「その土地を良く知るもの」と呼ばれる先住者である。人の流入・流出がはげしい村において、この「その土地を良く知るもの」による、ゆるやかな土地管理のもとで、移住民は生活を立て直しているのである。

【議論の概要】
報告の中で触れられた「対立」がどのレベルの対立なのかについて尋ねる質問に対して、報告者は、土地の境界などに関する個人レベルの対立であり、集団間の暴動といったものではないと答えた。また、アンゴラからの移住民が続いている状況にからんで、新たな移住民が獲得できる土地が不足するような事態は発生していないのかとの質問があったが、報告者は現時点ではそのような事態は発生しておらず、またそのような危機感もないと述べた。さらに、ロジ王国の権力や国家の行政組織との関係を尋ねる参加者からの質問もあった。
■資料詳細 
 
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