「【SGSD研究会】領域構造の機能について―沖縄戦とその戦後処理を事例として」
<第7回SGSD研究会>
■報告者 :田中一宏 (田中一宏事務所)
■開催場所 :龍谷大学東京オフィス
■開催日時 :2007年7月28日(土)14:00-17:00
■議事録番号
 田中氏の報告は、土地所有の確定プロセスの本質とはなにかをめぐる考察であった。田中氏はそのために、米軍使用のために戦前の土地の形跡が消滅し形質が変化したために土地区画が不明になっていた地区の地籍確定作業に注目し、検討を行った。
 この事例においてまず注目すべきなのは、自然資源利用の条件としての土地の意味が変更されたからこそ所有の復元が不可能になったのだという点である。この地域では従来、土地所有の確定の際に、自然資源利用をめぐる公平・公正原則が重視されていたからである。また、確定作業においては、大字相互の承認、小字相互の承認、個々の土地所有者相互の承認という順に調整が行われた。すなわち土地所有は集団保有と相互承認によって確定されたのである。なお、こうした集団保有を前提とした土地所有の確定が実現した背景には、沖縄においては歴史的に、特に土地収用への対抗手段として、村落組織をベースにした集団形成が行われてきたという事情があると田中氏は指摘した。

 討論においては、私有制度と共有的あり方はどのように折り合いがつけられているか、所有と保有の違いはなにか、集団内の階層の問題をどう考えるべきか、などの質問が出された。また、資源の希少性に由来する領域をめぐる緊張関係を前提として集団間の交換において所有が確定されるという指摘は興味深いという意見が出された。
■資料詳細 
 
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