「【第2回国際セミナー】Framing Food Security: Hunger, Community, Risk and Terror」
<第2班第2回国際セミナー「環境と資源をめぐる紛争解決」>
■報告者 :パトリック・ムーニー(ケンタッキー大学教授)
■開催場所 :龍谷大学深草学舎紫英館第1共同研究室
■開催日時 :2007年6月21日(木)10:00−13:00 
■議事録番号 :070621 
 「食糧安全保障」の概念は、「持続的開発」と同様に、1)コンセンサスに基づく基礎フレームを形成し、かつ、2)その基礎フレームが多様な集団行動へとつながるフレームをも生み出す。報告者のパトリック・ムーニー氏は、社会構築主義の観点から、E.ゴッフマンの「転調(keying)」という概念を用いた上で、食糧安全保障に関するフレームの「状況」分析を試みた。 
 食糧安全保障は、1)飢餓・栄養失調からの自由、2)持続可能な地域共同体開発、3)テロなどを含むリスク管理、といった3つの基礎フレームからなる集団行動フレームである。ムーニー氏は、これらの基礎フレームにおいて、食糧安全保障という問題が社会問題化する過程を、鍵盤の「フラット」(=支配的、内部的)と「シャープ」(=批判的、外部的)にたとえながら考察した。
 たとえば、1つめの飢餓フレームに関していえば、フラットの鍵盤を形成しているのは、FAO、世界銀行、WTOといった国際機関や国家である。これらは、カロリーやたんぱく質の消費量といった個人レベルに着目して、飢餓問題の解決を試みている。そして、アメリカの農務省は、グローバルなレベルでの飢餓問題を、個人レベルで解決していこうとしている。すなわち、集団行動を個人化した上で、生産消費の「標準化」を推し進めているのである。これに対して、シャープの鍵盤で転調を促すのは、Food FirstといったNGO団体である。これらは、技術開発を通じて飢餓問題の解決を試みる「新マルサス主義」に挑戦するもので、ローカルなレベルでの関与を重視した上で、環境保全や人権保護を目的とするNGOとともに、提携協力のネットワークに参加している。つまり、生産消費の「多様化」を推し進めているのである。
 本報告に対してフロアーからは、1)フラットとシャープの鍵盤を分析手法として用いるメリットは何か、2)、シャープの鍵盤で転調を促すアクターは、3つの基礎フレームからなる食糧安全保障という集団行動フレームにおいて、オーバーラップしたものなのか、あるいは、別々のものなのか、3)食糧安全保障に関する地域社会の「範囲」はどのようにして設定しているのか、といった質問がなされた。
■資料詳細 
 
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