「和解、賠償、癒し―1985-2005年、米越新時代を促進したベトナム帰還兵の役割」
<第1班第3回研究会>
■報告者 :マイケル・ファーマノフスキー(龍谷大学国際文化学部准教授)
■開催場所 :龍谷大学瀬田学舎智光館B102共同研究室
■開催日時 :2007年10月10日(水)17:00-18:30
■議事録番号 :071010
ディスカッサント: 松居竜五(龍谷大学国際文化学部准教授)

 ファーマノフスキー氏の報告は、米国のベトナム帰還兵が米国内において人々のベトナム戦争やベトナムに関するイメージを変えるのに果たした役割を明らかにするものであった。ファーマノフスキー氏によると、ベトナム戦争後、「和解、賠償、癒し」をめざす一部のベトナム帰還兵は、ベトナムを再訪して学校や病院の設立や地雷除去、枯葉剤被害者への補償などを行うだけでなく、さらに米国内の教育現場等でみずからの体験を積極的に語るなどしてきた。そのおかげで、1960〜70年生まれの米国人がベトナムやベトナム戦争について深い関心をもつようになり、多くの若者がベトナムに英語を教えに行くなどするようになったとファーマノフスキー氏は述べた。
 ディスカッサントの松居氏はファーマノフスキー氏の報告に関して、第1に、ベトナム戦争について政府レベルの公式謝罪は必要とされていないのかどうかという点を問題とした。これに対しファーマノフスキー氏は、多くのベトナム人たちにとっていまやベトナム戦争は過去の話になっており、おそらくそのために政府レベルの公式謝罪要求はないようだと述べた。また松居氏は第2に、アメリカの若者たちがベトナムに行って一方的に英語を教えるだけでなく、ベトナムの言語・文化・歴史を学ぶなど相互理解の努力を行うことこそが大事なのではないかと述べた。ファーマノフスキー氏はしかし、外国へ英語を教えに行く際の行き先として多くの選択肢のなかからベトナムを選ぶ若者が出てきた点が注目されると述べた。
 討論では、ベトナム反戦運動との関連の問題や、日本の退役軍人による英国やアジアの犠牲者との和解への努力との比較、言語帝国主義の問題、帰還兵が教育現場で話すようになったことの社会的背景は何かなどが議論された。
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