「日本における日系ブラジル人『反復出稼ぎ者』に関する一考察」
<2008年度第2班第1回研究会>
■報告者 :山中大輔(龍谷大学大学院国際文化学研究科)
■開催場所 :龍谷大学深草学舎 紫英館2階第三共同研究室
■開催日時 :2008年4月26日 (土曜日) 午後2時30分−午後3時50分
■議事録番号 :080426
■報告概要:
 1990年の入管法改定以降、日系ブラジル人の対日年数平均が長期化する傾向にあるが、日系ブラジル人全てが日本への定住化に向かっているのではなく、日本とブラジルを往復する移住形態が増えている。山中氏は、日本とブラジルを往復する移住形態(反復出稼ぎ)をとる日系ブラジル人に着目し、あらかじめ再来日の時期を設定して帰国するかどうかの当事者の「計画性」の有無をキー要素に計画性のない往復を繰り返す日系ブラジル人を「反復出稼ぎ者」と定義した上で、彼らの移住形態の決定を左右する要因についての見解を述べた。
 日系ブラジル人は、 (1)日系2世の配偶者とその子どもに「定住者」資格が付与されるが、日本で生まれた日系ブラジル人の子どもはブラジル籍となり、帰化以外に国籍取得できない(制度的要因)、(2)解雇の危険性が高く低賃金である間接雇用が多い(経済的要因)、(3)日本・ブラジル双方において文化的不適合になりやすい(社会的要因)状況におかれている。これら要因が、日系ブラジル人の日本への定住化または短期での出稼ぎ終了を阻害しており、結果として日系ブラジル人は消極的に「反復出稼ぎ」という移住形態を選択しているのである。
 参加者からは、「反復出稼ぎ者」の定義やそれを利用する意図についての質問があったほか、社会学分野の移民に関する既存研究をふまえて本研究の位置づけを明確にする必要がある、移民を取り巻く外的な要因(Push, Pull)に加えて、移民個々人の意識という内部的な要因を取組むことでより議論が深まる等の助言があった。
■資料詳細 <資料1
 
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