「親鸞浄土教における「真実」の概念」
<人間・科学・宗教オープンリサーチセンターとの合同研究会>
■報告者 :武田龍精(龍谷大学文学部教授)
■開催場所 :龍谷大学深草学舎至心館2階パドマ大会議室(TV中継:瀬田学舎智光館2階201共同研究室)
■開催日時 :2007年12月3日(月)14:00-16:00
■議事録番号
ディスカッサント: 長崎暢子(龍谷大学国際文化学部教授)

 武田氏は、その著書『親鸞浄土教と西田哲学』に見られるように、浄土教思想の哲学的研究を専門とされている。同時に、宗教間の対話を大きなテーマとし、そこから仏典の英訳に携わっている。それは仏教の概念をより普遍的なものとし、宗教間の対話の可能性を広げるものである。本報告においても仏典の英訳を利用することによって、専門外の人間にはややもすれば難解に感じられる親鸞浄土教のキー・ワードをわかりやすく解説された。
 本報告で武田氏は第一に、宗教多元時代の異宗教間対話において宗教の根底に位置する「真実」概念の重要性を強調した。その上で、親鸞浄土教における「真実」概念を明らかにしていった。ごく単純化すれば、親鸞にとっての真実とは、如来(仏と言い換えることもできる)がすべての人々を利他しつつあるプロセスそのものである。言い換えれば如来から衆生への廻向という、動的なプロセスの中から真実性が開示されるというのが、親鸞における真実の概念である。
 ディスカッサントの長崎氏は、親鸞とガンディーの「真実」概念の類似性を指摘した。特に真実とは追及の道(プロセス)であり、ガンディーの言葉によれば「実験」の繰り返しによって追及されるものであるという点において類似点が見られると述べた。
 フロアからは、親鸞における真実は、相対的なものであるか絶対的なものであるか、もし絶対的なものであるならば、既存の「真実」と衝突することはなかったのかという質問が出された。
 なお、詳細記録は人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センター2007年度年次報告書を参照。
■資料詳細 
 
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