「ガーンディー主義における「民衆への奉仕」」
<第1班第3回研究会>
■報告者 :石坂晋哉 (龍谷大学アフラシア平和開発研究センター、リサーチ・アシスタント)
■開催場所 :龍谷大学瀬田学舎智光館B102共同研究室
■開催日時 :2008年9月19日(金)14:30-18:00
■議事録番号 :080919
【報告の概要】
 報告者の石坂晋哉氏は、M. K. ガーンディーとガーンディー主義者たちの民衆へのアプローチに注目し、「民衆への奉仕」の歴史的展開や、その行動原理について分析を行った。
 石坂氏は、従来のガーンディー像に加えて、現代インドのガーンディー主義の展開に注目し、そこにおけるガーンディーの民衆へのアプローチから、新たなガーンディー像を捉えようと試みている。本報告の前半では、『ヒンド・スワラージ』(1909年)におけるガーンディーの「民衆」像を明らかにしたうえで、ガーンディーにおける「民衆への奉仕」が、独立運動の流れと並行して展開し、「民衆奉仕協会」(1948年)の提案へと至った一連の歴史的展開が示された。このようなガーンディーの思想や実践は、その後におけるガーンディー主義者たちの「民衆への奉仕」の行動モデルとして継承されている、と石坂氏は指摘している。
 現代インドにおいて、ガーンディー主義はその運動や形態は多様化しているものの、今や第三世代にまで広がっている。本報告の後半では特に、ナーラーヤン・デーサーイー(Narayan Desai)らを始めとする第二世代に注目し、1970年代の「民衆への奉仕」の思想と実践に注目した。ここでは、デーサーイーによる『サッティヤーグラヒーのためのハンドブック』を中心に、サッティヤーグラヒーの行動原理となる「人々から学び、共に働く」という、民衆へのアプローチと実践に焦点があてられた。また、スンダルラール・バフグナー(Sunderlal Bahuguna)の実践やガーンディー主義者の歴史的展開を踏まえて、第二世代のガーンディー主義者における「民衆への奉仕」の思想と実践とは、民衆の内発的発展に導こうとするものであったことが示された。さらに今後の展望として、参加型開発モデルとの比較の可能性などについても言及された。

【議論の概要】
 討論では、インド思想史における「奉仕(seva)」の意味内容や、この時代のアジアにおける農民の政治意識について、そして「奉仕」と「啓蒙」の違いなどが議論された。
■資料詳細 
 
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