「経済のグローバル化と環境・資源・貧困」
<第2班第1回研究会>
■報告者 :中村尚司(龍谷大学研究フェロー)
■開催場所 :龍谷大学深草学舎紫英館第4共同研究室
■開催日時 :2009年5月1日(金)13:30-15:30
■議事録番号 :090501
 中村氏は、21世紀における経済のグローバル化が引き起こした環境・資源・貧困をめぐる紛争の解決に向けて、人と人との社会的な関係をいかに構築していくべきかについて報告を行った。
 中村氏によると、21世紀における経済のグローバル化によって具現した環境・資源・貧困の諸問題は、それ以前の諸問題とは基本的な性格が異なっている。環境をめぐる紛争は、例えば無農薬栽培の農家とそこに境界を接する圃場で化学肥料や農薬を使う農家との間に生まれる紛争の場合のように、汚染物質を特定する分析化学によっては解決できない。資源をめぐる紛争も、例えば石油が資源か二酸化炭素排出の汚染源かは、有機化学や高分子化学によって結論が出せる問題ではない。また貧困についても、貧困を測定する指標自体が時代とともに変化しつつあり、貧富は社会的な関係によって決まるものであることが明らかになってきた。すなわち、いずれの問題も一義的な判断が不可能になっているのである。
 こうした状況における紛争解決は、それぞれの社会に即したかたちで社会システムを変えていくことによって図るしかない。またその際に、公権力あるいは市場システムに任せてしまうのではなく、地域社会において人と人との具体的なネットワークを作っていくことこそが重要だと中村氏は強調した。

 討論では、環境と資源と貧困の諸問題の相互関連をどのように捉えて対処していくべきか、地域社会において構築すべきネットワークを構成する主体はどのようなものか、などの質問が出された。
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