「Conflictの概念をめぐって」
<第1回合同研究会>
■報告者 :ポーリン・ケント(龍谷大学国際文化学部助教授)
■開催場所 :龍谷大学深草キャンパス紫英館東第2会議室
■開催日時 :2005年7月10日 13:30−15:30
■議事録番号 :05000101
ディスカッサント:濱下武志(京都大学東南アジア研究所教授)

1.報告の概要
 Conflictには幅広い概念が存在する。単純な定義としては、conflictは、2人以上あるいは集団において、それぞれ持つ目標が異なり相手の目標達成を妨害しようとするときに起こる。そして、conflictが対立的な状態やそれがエスカレートしてヴァイオレンスに発展する場合、戦争になることもある。そのため、conflictは一つのprogressionとして捉えたほうがよい。そして、conflictは、社会を分散させる力もあれば統一させる力もあり、プラスの面とマイナスの面の両面をもつことに社会科学者が注目している。
 上述のconflictの二面性に注目しながら、conflict resolutionを考える必要がある。conflict theme(社会学)は1950年代半ばからアメリカにおいて、conflictをどのようにしてなくすかという議論がされ始め、やがてその議論にconflict=逸脱、conflict=社会の分散という考えが加わり、consensusモデル−harmony、調和、平和という考えが主流になった。Conflictは、統一化、組織化の力を持つ。つまり、conflictは社会的作用の中で重要な役割を持っている。Conflictによる緊張が生じれば、その緊張の刺激を受けて人は他人のことを理解しようとして緊張を解消する力が働く。そのことにより、社会的構造が保たれるというポジティブな面も主張されてきた。

2.討論の概要
 討論においては、(1)conflictが日常性を持つだけではないこと、(2)政治や地域関係の中でのconflictは、本来地域的なものであり、そこから生まれてくる関係性の前提にもなり、地域文化の要素として現れてくること、(3)それゆえ、紛争解決とその秩序の構築に関する総合研究を行う場合、地域研究、文化研究からconflictとnegotiationの知恵をもらうことがよい方法であると考えられること、などが議論された。また、今後の課題として、conflictの対立概念としてpeaceを考えるのではなく、conflictの問題を時代的、政治的、経済的に見直すことが必要である、との指摘がなされた。

■資料詳細 
 
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