「マレーシアとインドネシアの<土地の子>政策の比較―経済格差是正手段としてのAffirmative Action―」
<第4班第2回研究会>
■報告者 :加藤剛 (龍谷大学社会学部教授)
■開催場所 :龍谷大学深草学舎紫英館2F第4共同研究室
■開催日時 :2005年11月12日(土) 13:30-17:00
■議事録番号 :05040202
コメンテーター: 佐藤千鶴子 (龍谷大学アフラシア平和開発研究センターPD)

 報告者の加藤氏は、経済格差是正手段としてのAffirmative Actionが紛争解決に役立つかどうかをめぐって、マレーシアとインドネシアの事例を比較検討した。ブミプトラ(土地の子)政策が「成功」したマレーシアでは武力的な民族紛争が起こらなかったのに対し、プリブミ(土地の子)政策が「失敗」したインドネシアでは華人虐殺などの民族紛争がしばしば起こっているという違いが存在することの背景として、それぞれの国の政策の歴史、資源/人口比、経済的パイの拡大規模、人口構成、政権基盤などの差が重要だったと考えられる。そして加藤氏は、Affirmative Action的な政策の将来について、移民系の人々の経済的差別に対する不満の高まりがみられるヨーロッパにおいてAffirmative Action的な政策が出てくるかどうかという点や、グローバルなレベルにおけるAffirmative Action、たとえば2015年までに世界の極貧層を半減しようとする国連のミレニアム計画が実現するかどうかという点などが注目されると結論づけた。
 コメンテーターの佐藤氏は、南アフリカ研究者として、南アフリカにおけるAffirmative Actionについて解説し、南アフリカではその政策が、少数の富裕化をもたらしており、最貧層の救済は実現していない点が問題だと指摘した。
 討論では、経済発展とAffirmative Action的政策の成否との関連、Affirmative Action的政策の成否をどう評価するかという問題、Affirmative Actionにおける教育の重要性などが議論された。
■資料詳細 <資料1
 
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