「スリランカ内戦の平和過程と津波後の課題」
<第4班第1回研究会>
■報告者 :中村尚司(龍谷大学経済学部教授)
■開催場所 :龍谷大学深草学舎 紫英館 第4共同研究室
■開催日時 :2005年7月22日(金)15:00‐18:00
■議事録番号 :05040102
2002年2月22日にノールウェー政府の斡旋により、スリランカ政府と「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」との停戦協定が締結された。多数民族のシンハラ人も少数民族のタミル人も、20年ぶりに実現した戦争のない暮らしが、何物にも代えがたいと認め、その永続を願っている。2002年12月の津波被災をきっかけに、民族、宗教、言語などの違いを越えて復旧に協力しようと言う気運が高まり、各党派が共同の復興目的のために政治的な対立を1時的に棚上げしてしようと表明している。この意味では津波が、和平の推進に好ましい要因を作り出したといえよう。
 このような状況で、日本のNGOによる復興支援への協力は、北東部州におけて内戦と津波の被災を受けて、二重苦の困窮状態にある漁民や水産関連業への支援が期待されている。津波被災地域が東海岸に集中していた事情から、LTTE軍支配地区の漁村が多い東部州と北部州では、スリランカ政府がLTTEと協力しなければならない。世界銀行をはじめ被災地支援に乗り出した国際機関や外国政府も、両者の共同作業を和平への促進材料と位置づけ、その必要性を説いている。
クマラトゥンガ大統領の任期が本年末で終わる事情も加わって、少数与党となった現政権には、議会の多数派工作と次期の大統領選挙準備が大きな課題である。いずれにせよ、戦争でもなければ平和でもない状態が、当分のあいだ続くものと思われる。
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